#6 コンギツネの弟
深夜2時。
キツネも寝静まる真夜中。
僕は寝室のベッドで就寝していた。
コンギツネは居間のハンモックで眠っている。
突然、
ガタガタッ
と、何か物音がした。
何だろうと思い、僕はリモコンで部屋の灯りを点けた。
すると、枕元で、
何者かが、"日本刀"を振りかぶって、
立っていたのだった。
僕は、死ぬほどびっくりして、
「どわっ!なっ、何だおまえはっ!?」
と叫んだ。
「タチバナさん、
あんたには、死んでいただく!
覚悟っ!!」
そいつはいきなりそう言うと、僕に向けて、
思いっきり日本刀を振り下ろしてきた。
「うわっ!や、やめろっ!」
バスッ
僕は、どうにか間一髪、その斬撃をかわした。
さっきまで僕が寝ていた枕に、
日本刀がめり込んでいる。
「おのれ!往生際の悪い!
大人しく死にさらせ!」
そいつは、僕の方に向き直り、2撃目を振りかぶろうとしている。
「ふっ、ふざけんなっ!!
な、何なんだ、おまえはっ!!」
そう言って僕は、初めてそいつの姿をまじまじと見た。
‥そいつは、一見すると、まだ若い少年といった風体だった。年齢15、6歳くらいといった感じだろうか。
‥ただ、
‥そいつの頭にはなんと、誰かさんと同じような
"キツネの耳"
がくっついていたのだった。
そして、お尻のあたりには"尻尾"が‥。
「うーん‥
どしたんですか?騒々しい。」
物音で目を覚ましたのか、コンギツネがのそのそと起きてきた。
そして、少年の存在に気づくと、
「あれっ、あんたまさか‥
フォックス‥?」
と、少年に向かって言った。
コンギツネは、
"フォックス"と呼んだその少年のことを、知っているようだった。
「な、何だ君達‥
知り合いなのか?」
僕は聞いた。
そして、
少年は、コンギツネに対し、
「‥久しぶりだな‥
姉ちゃん‥。」
と言ったのであった‥。
つづく