ある日の夜、僕とコンギツネが夕飯を食べながらテレビを見ていたときだった。ピンポーンと、うちのインターホンが鳴った。僕は、また誰か来たのか、と思いながら、玄関へと向かい、「はーい。」と、ドアを開けた。ガチャッするとそこには、1人の外国人女性…
「‥タ、タヌキの妖怪‥、ポンダヌキ‥?」僕は目の前で"本当の姿"とやらを現したサトウさんを見ながら、またおかしなやつが現れたのか‥と思った。と、同時に、せっかく知り合った女性が、人外の存在であったことに、なんだかとてもガッカリした。一方、サトウ…
土曜日、僕は、"渋谷駅前"で、夕方5時にサトウさんと待ち合わせをしていた。食事の約束をしたのだ。この日は、お互いに仕事も休みの日であった。だから、別に昼間の待ち合わせでもよかったのだが、やはり、渋谷といえば5時だろうということで、この時間の…
ある日の仕事帰り、僕はまた、行きつけのスターバックスに立ち寄った。すると、店のレジには、その日もサトウさんが勤務していた。数日前のバレンタインデーに、僕にチョコレートをくれた女性店員さんだ。「どうも、こんばんは。こないだは、チョコレート、…
2月14日、その日僕は、仕事を終えた帰り、会社からの帰り道の途中にあるスターバックスに立ち寄った。コーヒーを飲みながら、ゆっくり読書をするためだ。以前は、家に帰ってからも、のんびりと本を読むことができたのだが、今は、家に帰ると1匹のキツネ…
僕とコンギツネは、広い畳の部屋に通された。10畳以上はあるその部屋の中央には、大きな座卓が置いてあり、座卓の周りには、座布団が並べてあった。田舎の家の大部屋といった感じの部屋だった。また、部屋の角には床の間があり、"狐裘蒙戎"という四字熟語…
ゴオオオオオオッッ!!家政婦のミタギツネさんの放った巨大な火の玉が、コンギツネに襲いかかった。あ、危ないっ!!「ひっ、ひいいいいいいっっ!!」しかし、コンギツネは必死で身をひるがえし、そのメラゾーマをなんとか、すんでのところでかわすことが…
「ここ笠間は、"笠間稲荷神社"という有名な神社もあって、私たちキツネにとっては、ゆかりの地なんですよ。」と、コンギツネはそう言って説明した。僕も、寺社仏閣に関して別に詳しいわけではないのだが、日本の神道では、キツネが、"お稲荷様"という神様と…
ある週末、僕は、コンギツネと、"茨城県の笠間市"にやって来ていた。レンタカーを借り、東京から2時間程をかけ、高速道路をひたすら北上して来たのだ。茨城県のちょうど中央辺りに位置する笠間市は、東京と比べるとかなりの田舎といった感じの所だった。車…
コンギツネは、リングの上に上がり、シゲオ君&リザードンと対峙した。会場のちびっ子たちから、「コンギツネさーん、がんばってー!」と声援が上がった。コンギツネは嬉しそうに手を振ってみせた。突然の乱入者に対し、リングアナウンスは、「おーっと、こ…
サトル君のピカチュウは、シゲオ君のリザードンに圧倒的な力の差を見せつけられ敗れた。シゲオ君は勝利の高笑いを上げていた。一方サトル君は、全身に火傷を負い、ぐったりとして動かないピカチュウを抱きかかえたまま、膝をつき、敗北に打ちひしがれていた…
翌週の土曜日、僕とコンギツネは、千葉県の幕張メッセにやって来ていた。その日、幕張メッセの1階会場では、"東京オートサロン"という車のイベントが行われていた。様々な自動車メーカーのレーシングカーやカスタムカーが、一堂に会して展示されるイベント…
川岸の土手をウォーキングしている途中、僕とコンギツネは、ポケットモンスターの"ピカチュウ"に遭遇した。コンギツネが不用意に近づいたことで、身の危険を感じたのか、ピカチュウは、僕らに対して臨戦態勢をとっていた。全身の毛を逆立て、牙を剥き、フー…
土曜日の昼、僕とコンギツネは、近所の川沿いの土手に、ウォーキングをしに来ていた。お正月でなまった体を動かすためだ。冬の川岸には冷たい風が吹きつけ、初めはとても寒かったのだが、歩いているうちに、だんだんポカポカ温かくなってくる。コンギツネは…
年も変わり、仕事始めとなったその日、コンギツネは、朝食を食べてるとき、こんなことを言ってきた。「ねえ、タチバナさん、私どこか変わったと思いませんか?」‥‥?ん?急に何を言ってるんだろう‥。僕は、「‥え?どういうこと?」と、問い返した。コンギツ…
2022年1月1日(土)の元日の朝、僕はいつものように、コンギツネより早く起きた。コンギツネは、4日前の12月28日に高熱を出し倒れたが、翌日には復活し、その後は元気に生活していた。そして、昨日の大みそかの夜は、2人で年越しそばを食べながら…
12月28日(火)、いよいよ今年も残りわずかとなったその日、コンギツネは、朝から様子がおかしかった。どうおかしかったのかというと、まず、僕が朝起きたときに、なんとコンギツネの方が先に起きていた。今までは大体、僕が先に起きて、朝食の用意が出来…
2021年、12月24日(金)、23時00分、僕と、コンギツネと、コンギツネの弟のフォックス君の3人は、僕の家で、サンタの衣装を身にまとっていた。5日前にうちにやって来たサンタクロースから、代わりにプレゼント配りをして欲しいと頼まれ、最初は…
12月19日(日)の夜、僕はコンギツネと一緒に、テレビで、"M1グランプリ"の決勝を見ていた。2021年のM1は、"錦鯉"というコンビが優勝した。この"錦鯉"は、ボケの方の人がなんと50歳にもなる、非常に高齢の漫才コンビであり、最年長での優勝者だそうだ。僕…
ピー助が生まれてから2週間が経った。コンギツネは、とても一生懸命にピー助の世話をしていた。エサには、魚の切り身や、魚肉ソーセージを細かくして与えた。また、バレーボールを使って、ピー助とボール遊びをしてやっていた。僕が、首長竜は水棲の恐竜であ…
ある日曜日の午後、僕は、家でテレビを見ながらのんびりしていた。コンギツネは、外に散歩に行っている。コンギツネには、外に出る時は"帽子をかぶって、キツネの耳を隠すように"と言っている。大きな尻尾に関しては、隠しようがないが、そういうアクセサリ…
「この子は、私の弟なんです。」僕らは、居間のテーブルに向かい合って座り、話している。「まったく、久しぶりに会ったと思ったら、タチバナさんに対して暴力を振るおうとするとは‥、どういうつもりなのよ。」コンギツネはフォックス君の方を見て言った。フ…
深夜2時。キツネも寝静まる真夜中。僕は寝室のベッドで就寝していた。コンギツネは居間のハンモックで眠っている。突然、ガタガタッと、何か物音がした。何だろうと思い、僕はリモコンで部屋の灯りを点けた。すると、枕元で、何者かが、"日本刀"を振りかぶ…
翌日、僕はターミネーターに頼まれ、レンタカーを借りて、近隣の県にある製鉄工場にやってきていた。めんどくさいことに巻き込まれたなあ、と思いながらも、仕事が休みだったので渋々了承したのだ。コンギツネも旅行気分でついてきている。ターミネーターに…
その日の夜、仕事を終え家に帰った僕は、コンギツネと一緒にテレビを見ていた。すると、突然だった。ヴオンッ!!部屋の中央に、直径2メートルほどの黒い球体が現れた。バチバチバチッ!!球体の周囲には、スパークのようなものが飛び交っている。「な、何で…
朝。トースト2枚と目玉焼き2つ。僕は"2人分"の朝食を作っている。僕の家には、先週から1匹の居候がいる。彼女の名前は、コンギツネ。もう1000年以上も前から生きている、キツネの妖怪だそうだ。そして、平安時代からずっと封印されていたのを、僕が解放して…
「あれはもう、今から1000年以上昔のこと。日本が平安時代と呼ばれていた頃のことでした。当時の私は''妖狐''という悪いキツネの妖怪でした。強力な妖術を操ることのできた私は、当時の人間達に対して、極悪非道な悪行の数々を繰り返していたのです。都を焼…
こんにちは僕の名前はタチバナ。33歳独身。東京都足立区在住。都内の中小企業に勤める普通のサラリーマン。これは僕の人生に巻き起こった数奇な出来事の記録である。ある日の晩、僕はいつものように仕事を終えて、勤め先の会社から一人暮らしをしているアパ…